晩秋のミッドナイト | 紙は神と勝利  『文学&音楽&工作&料理』

紙は神と勝利  『文学&音楽&工作&料理』

癒しの空間工房です。
アート作品&文学&音楽&料理が満載です。
第2の脳(手先指先の運動)
紙工作(最近ご無沙汰しています)文学、音楽、料理好きなのです。

★足引掛割 作品集 晩秋のミッドナイト★


何と言う 冷たい雨風なんだろう

大きな雨粒と変化する風向きに

身を縮めながら 俯き歩く


今日の帰り道


首筋から 足元から 袖口から

風向きの定まらない

晩秋の冷たい風が

僕を追い立てるように

僕に立ちはだかるように

僕を追い返すようにと


ゴウゴウと言う音とともに

大粒の雨粒を どす黒い天井から

降り注ぐ

木々の揺れ動く音が

悲鳴のようにも聞こえる


街はシーンとして静まり

物音ひとつしない

ただ 大粒の雨と

風向の定まらない

風の音がするだけ


これから寒い寒い

季節を迎えて

毎日毎日

身の縮まる思いを

幾つ辛抱すれば良いのだろう


もう コタツの準備をしなくては

もう アンカの準備をしなくては


哀愁と言うより悲哀に近い

晩秋の季節


夢も希望も 懐にしまいながら

俯き歩く 

急ぎ足で


心をジャンパーの中深くしまいこんで

急ぎ足で 俯き歩く


自宅の前には

この激しい雨と風で

むりやり落とされたであろう

枯葉が 散乱していた