★ 詩・透明の毛?? ★ | 紙は神と勝利  『文学&音楽&工作&料理』

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★ 詩・透明の毛?? ★

      足引掛割 雑記より

あまりに 鼻の周り近辺が ムズムズする

何だろうと思い 久しぶりに手鏡を見た

マジマジと 映し出された 自身の今の顔

ゲゲゲー 何なんだ この顔は

若かりし頃の あの艶々していて 溌剌としていて

眼に力の凝縮されて ピカピカっと 光り輝いていた

あの頃の 未来に対する輝きを  何処に捨ててきたのだろう

あの頃の 夢と希望と直向きさを 何処に置き去りにしてきたのだろう

今では 皺の多い顔 眼が窪み 遠近両用のメガネに助けを借りて

深夜の空を仰ぎ見れば かろうじて 三日月と星ボシがボンヤリと

見える 眼力のなくなった 輝きの薄い マナコ

其れは そうと ムズムズする原因は

鼻の穴から 鼻毛が二~三本も 伸び出ていたのだっ

エィーツとばかりに 一番長い 鼻毛を指で挟んで

一本 ヒッコ脱いだのだった

だが 両指に 挟んだ感触はあるのだが

何も 見えないのである 何も無いのかな

薄暗い明かりから もう少し灯りの強いところへ

移動して 恐る恐る 指を翳して見た

でも何も見えない 

だが 良く見てみると 

ピカピカっと光っている毛

透明な鼻毛が一本

色素の無くなった

鼻毛が一本

両指に挟まれた

透明な鼻毛が

灯りを浴びて光っている

なんだか 少し 

寂しい様な 悲しいような

気分に 陥ってしまった

幾星霜もの年月が

真っ黒の色素を

透明色に変えたのかな

少し センチメンタルな気分

少し 感慨深い 僕の人生